neuronoa(ニューロノア) は、現在準備中です。

2020/08/15 02:11

まず、neuronoaさんはどんな事を題材にして創作するのかについて聞かせて下さい。

私はアートや音楽といったアーティスト活動と並行してデザインの仕事もしています。それらを並行して行う中で同じ気づきがありました。アートやデザインを始めた頃は、いわゆる「色」や「形」にばかり興味がありました。ただ、色々な方々の意見や受け止め方を感じる中で「想い」や「感情」を含めた「体験」が1番大事なんだという考えになっていきました。「体験」を形にする創作について、まだまだ答えを探し続けていますが、人間の感情の動きや、どうして感動するのか?、といった事には常に興味がありますし、創作の題材になっていると思います。


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アート、音楽、デザインなど複数の領域をまたぐ活動の中で、デジタル作品から自然への意識や、その構造を表現に取り入れることが多くなっていきますね。

「想い」や「感情」を含めた「体験」といった観点から始まり、「新しい作品作り」を考える上で、ずっと思考も作業の一部のようなところもあります。最新のテクノロジーに強い関心を持った頃もありましたが、「最新」が価値なので、それらは必ず時代と共に変化して、すぐに廃れた作品になってしまいます。このように思い始めた頃から、昔からある、手で触れられるような質感のある素材を使って、新しい価値の可能性を探ることが多くなってきました。

neuronoaアート作品「untitled」は、どの視点でも自然界の美しい躍動を感じてもらいたいという思いが込められていますね。

もうアートで新しい価値を提供するのは難しいと思っています。ほとんど表現され尽くしていると思います。でも昔から変わらずアートの目の前に存在するのは作品と空間と閲覧する人だけなんです。その中で新しい可能性を探ろうという時に、普遍性とは何で、何が必要かという観点を抱くようになりました。そして普遍性で一番大切なのは「構造」だと考えて「自然」という切り口を選択しました。


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作品の解説で加えられている「フラクタル構造」がそれですね。完成品を「ただ見る」のではなく、見る人々が作品の印象や好きな要素を決める、そんな特異さが感じられます。

この作品は、マクロの視点とミクロの視点で感じられる面白さがあると思います。これは「Eames」の「Powers of Ten(1977)」という映像にとても影響を受けています。一台のカメラが、宇宙の果てから、銀河系に向かい、地球に向かい、人間の細胞の中まで入っていく映像です。ひとつの視点では見えなかった様々な世界に我々は生きていること気付かされた瞬間でした。


その他にneuronoaアート作品「untitled」に影響を与えている要素はありますか?

やはり幼少期の心象風景が大きいと思っています。神奈川県の葉山で育ち、キラキラした海や青くて広い空、深い緑の山など、自然豊かな場所で眺めた景色や感じた空気は、作品制作の最初の段階で必ず思い出してはアートの中で表現されていきます。

自然やフラクタルに着想したアイデアは、neuronoaアート作品「untitled」に見事に落とし込まれましたね。色彩豊かで質感のある作品は「感情を素材として扱っている」とおっしゃる方々もいますね。

自然やフラクタルは、マクロとミクロをどのあたりで切り口を決めるかによって表現方法が定まると思っています。それを決めるのはやはり感情ですね。作品が構築していくのも感情ですし。創作する上で感情との関係性は非常に重要だと思っています。感情を然るべきポイントでイメージを定めて俯瞰して眺める。そして作品に手が入る、そんな進め方です。
「untitled」は、人間独自の自然観や、空間を知覚するという感覚において、室内という閉ざされた中に展示されることによって、人の文化の根源を見つめたいという趣旨もあります。「untitled」は写真で見る色彩豊かな表現以上に、実際は光を受けて彫刻のような質感を感じられます。それらが見る人の「想い」や「感情」と一体化することで、人の文化の必要な本質を見出せるのではないかと思っています。実際、作品が室内に展示された時には、文化や日常から解放されたその場所、その空間すべてがアートだと感じて頂けると思います。

このneuronoaアート作品「untitled」に触れることで知覚できる自然があるのかも、とも思いました。neuronoaさんの自然への考え方は、「自然環境保全」や「自然を真似たアート」といった考え方とも違っていると感じます。誤解を恐れずに言えば、作品を通じて感じることが出来る「自然を探る旅」のような。

そうですね。「untitled」は、キャンバスに何色ものアクリル絵の具の塊が色彩を生み出して、美しい波動を連想させるような閃きが広がっています。また時には、窓から差し込む太陽の光によって質感が顔を出して色彩の彫刻が表現されます。また、曇りの日や雨の日、四季によっても違う世界を感じられると思います。ただ、こうした事は創作しながら考えて偶発的に生まれることも多いです。

表現方法を定めて創作する中で、今のような偶発的なものを取り入れる事に抵抗はありませんか?

偶発的なものやハプニングは、いち個人の想像を超越したものを運んできてくれます。逆に、計画して出来る作品には限界があると思います。そういった意味でも私が創作する場合は、デスクからほとんど何も生まれないかもしれません。私の創作は「色」や「形」のバリエーションを作ることではないからです。


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